運動会の全員参加の競技といえば「玉入れ」は外せません。
かけっこやリレーと違い、走るのが早くなくても、運動が苦手な子でも楽しめて、活躍の可能性がある競技です。
しかし、そうはいっても、やっぱり運動能力の高い子の方が目立つし、活躍するのでは?
いえいえ、そんなことはないのです。
いくらスポーツが得意と言っても、遠くから玉を投げてあの小さなカゴに入れるのは、簡単なことではありません。
むしろ、戦略がモノを言うのです。
具体的には、“味方同士で協力し、一度にたくさんの玉を投げて、より多くの玉をカゴに入れる”。これができれば、やみくもに投げるよりもずっとたくさん得点できるのです。
そこで、玉の持ち方や投げ方から練習方法まで、「運動会の玉入れで勝つコツ」をご紹介します。
ちょっと意外な方法かもしれませんが、少し練習をすればおどろくほど玉が入るようになります。見事に大量得点できたら、きっとみんなの『見る目』が変わること間違いなしです!
運動会の玉入れで勝つ!投げ方のコツは3つ
玉入れというと、「手にもった玉をひとつずつカゴに向かって投げる」というシーンが思い浮かぶかもしれません。
でも、あれって意外とカゴに入っていないと思いませんか?
まさにその通りなのです。
そこで、より多くの玉が、どんどんカゴにはいる方法をご紹介。だまされたと思って試しにやってみてください。実感できると思います!
玉の持ち方は『お花の手』
両手で『お花の形』をつくり(下図参照)、その手で玉をはさむような感じで、2~4つ持つ
狙う位置は『カゴの真上』
『カゴの真上』を狙って投げると、カゴに落ちるように入ります。
投げ方は『胸の前から、押し上げる』
『お花の手』でいくつかつかんだ玉を、『カゴの真上』を狙って、『胸の前から、押し上げる』ように投げます。
足は開いて立ち、ジャンプしながら投げるとよりカゴに入る確率が上がります。ちょうどバスケットボールのフリースローのような感じです。
この投げ方のメリット
2~4個の玉を持つのには「時間がかかって効率が悪いのでは?」と思われるかもしれませんが、一つずつ投げてカゴに入る確率と比べると、こちらの方が断然効率が良いのです。
また、片手で野球のボールを投げるように投げると、カゴの上や横を通り過ぎて遠くまで飛んでしまい、落ちた玉を拾いに行くのに時間がかかりますが、この投げ方をすれば玉はカゴ付近の下に落ちるだけ。
拾い集めてまた投げるのもカンタンです!
この投げ方が難しい幼稚園児や小学校低学年、身長の低い子は、『カゴの真下から下投げ』で狙う方法がおススメです。
参考になる動画がありますので、ぜひお子さんと一緒に見てみてください。
動画の先生が実際に投げているところを見れば、すぐにコツがつかめると思います!
運動会の玉入れで勝つ!役割分担する
投げ方がわかったところで、次は役割分担です。
役割を分担すれば、無駄なくどんどん玉を入れることができます。
玉入れの役割は3つ
玉を投げる人
ひたすら玉をカゴに向かって投げる。バスケ経験のある人、背の高い人がピッタリ。
玉を集める人
落ちている玉を集めて、「玉を渡す人」の周りに集める。小回りのきく人、俊敏な人がピッタリ。
玉を渡す人
集まった玉を「玉を投げる人」に渡す。「投げる人」がやりやすい渡し方を相談しておくとGOOD。
例:足元におく、手渡すなど
この<3つの役割>に分かれると、一人で「投げて・拾って・また投げて...」とやるよりずっと効率よく玉を入れることができます。
運動会の玉入れはチームワーク!かけ声が重要
「玉入れは、一人ひとりが勝手に投げればいい競技」というのが一般的な認識かもしれませんが、これまでにご説明したように、みんなで協力して投げることで高得点が狙える競技です。
そのためには、かけ声をかけながらタイミングを合わせることがとても重要。
なぜかけ声が重要なのか?
全員が同じタイミングで投げることで、カゴの真上で玉同士がぶつかりやすくなり、カゴに入る玉が増えるのです。
「1.2.3!」でも「せーの!」でも、タイミングをそろえやすいかけ声でOK。
かけ声に合わせて、一斉に投げましょう。
立つ位置も大切
カゴから1メートルくらいはなれた位置で、カゴをはさんで対角線上に人がいるように立ちましょう。
※競技ルールが決まっている場合は、それに従いましょう。
そこからカゴの真上を狙って投げることで、カゴの真上で玉がぶつかりやすくなり、カゴに入る確率が高くなります。
また、カゴに入らなかった玉も、向こう側の人がひろいやすく、カゴの周りを人間が移動する無駄が省けるというわけです。
さあ、イメージトレーニングは済みましたか?
次は「練習方法」です!
玉入れの練習方法をご紹介。自宅でできる練習法もあります
学校で
学校などで練習ができる場合は、バスケットゴールに向かって玉を投げる練習をしてみましょう。
ジャンプして投げる練習をしておくだけでも本番に効果があります。
また、全体で練習する機会があれば、役割分担の練習(玉の渡し方を決めておく)や、役割交代の練習までしておけば完璧です。
その時、かけ声でタイミングをあわせる練習もしておくといいですよ。
お家で
小学校の玉入れのカゴの高さは2~2.5メートルの場合が多く、これはお家の天井くらいの高さです。
家で練習するなら、天井めがけてお手玉や丸めたくつ下を投げる練習をしておくとよいでしょう。
どこで練習するにしても、「カゴより高く投げる練習」をすると、本番で得点につながりやすくなります。
道具がない時は?
玉入れの練習がしたくても、道具がなにもない...というときは、
カゴは...
針金ハンガーなどで輪っかを作り、そこにビニール袋をかけてセロハンテープで止め、カーテンレールや棚の上などに固定します。
※カーテンレールに負荷をかけたり、棚が傾いたりしないように十分気をつけましょう。
玉は...
新聞紙を丸めてセロハンテープで止めたり、丸めたくつ下やお手玉を使っても。
カゴより高く投げる練習をしておくだけで、本番の得点数に差が出ます!あとは、本番前にケガなどしないように気をつけて。
無事、本番を迎えられますように!!
アレンジ玉入れの場合必勝法も同じ?
アレンジ玉入れとは?
「カゴに玉をいれる」というシンプルな玉入れに様々なアレンジを加え、難易度を少しだけあげて、楽しさを倍増したのが『アレンジ玉入れ』です。
例えば...
追いかけ玉入れ
カゴを背負った人が逃げるので、追いかけて投げ入れるという競技です。
追いかけ玉入れの必勝法や練習法
みんなで後ろから追いかけてもなかなか入りません。挟み撃ちにして後ろから投げ入れると効率良く玉を入れることができます。
走りながら玉を投げる経験は、あまりすることがないと思うので、そんな練習をしておくとよいでしょう。
高校の運動会の動画ですが、参考になると思います!
ダンシング玉入れ
音楽が流れている間はダンスを踊り、音楽が止まったら玉入れ開始!また曲が流れたらダンスを踊り...を数回繰り返す玉入れです。
大人も子どもも楽しめるのでおすすめのアレンジです。
ダンシング玉入れの必勝法や練習法
必勝法は...ダンスに夢中にならないこと(笑)。音楽が止まったら、パッと玉をもって投げ始めましょう!
練習法は、基本の玉入れと同じでよいでしょう。ダンスの練習もぬかりなく。
幼稚園の先生方の作られたサンプル動画です。
ディフェンス玉入れ
基本ルールは同じで、カゴの周りで相手チームの人が数人邪魔をするというルールです。
入れにくくなるので難易度が増し、高学年向けのアレンジです。
※ディフェンス玉入れは、相手チームとの接近戦になるので怪我に注意が必要です。
ディフェンス玉入れの必勝法や練習法
ディフェンスのスキを突けるかどうかが勝敗を決めます。フェイントをかけてディフェンスを交わす練習は必須です。
守る側はカゴを背にして立つので、カゴがどこにあるのかを見失わないように気をつけて。
このディフェンスは道具をつかっていますが、雰囲気は参考になると思います。
ぴったり玉入れ
基本ルールは同じで、両チームのカゴがぴったりとくっついているところがポイント。双方のチームの玉も、混ざった状態で落ちているところからスタートします。
よーく狙わないと相手チームのカゴに入ってしまうところが面白いアレンジです。それぞれのカゴに入った玉をすべて数える場合や、カゴと同じ色の玉のみカウントする場合も。
人数が少ない時などにおすすめです。
ぴったり玉入れの必勝法や練習法
基本ルールは同じですが、より狙いをすまして投げる必要がありますから、カゴに正確に玉を入れる練習を重ねましょう。
相手チームのカゴに入ってしまったら相手チームの得点になってしまう場合はより慎重に!
段違い玉入れ
高いカゴと低いカゴがある玉入れ。高いカゴに入った玉は点数が高くなる...など、得点のつけ方もさまざま。
身長の高低差が大きい年代の子どもたちなどに向いた、みんなが楽しめるアレンジです。
段違い玉入れの必勝法や練習法
高いカゴの得点が高くなる場合は、高い位置のカゴに入れる練習をしておくとよいでしょう。投げ方は基本の方法でOKです。
参考:玉入れの歴史は?
運動会の玉入れやその他の競技の発祥は?
「玉入れ競技」が日本で始まったのは明治時代と言われています。
当時の学校には校庭がなく、体育を行うときには神社の境内を使わせてもらっていました。
そうするうちに、神社の祭礼の際に「体育の成果」を披露することになり、それが「運動会」に発展したのだそう。
そのため、運動会の競技は「体育」とは少し雰囲気の異なる、『神事』の要素を感じる競技が多いということです。
例えば「玉入れ」は、稲穂が実をつけ、頭を垂れる様子をあらわし、「棒倒し」は稲刈りの様子をあらわしているとか。
「騎馬戦」は武術として神社で披露されたものから運動会の競技となり、「綱引き」も吉凶占いが競技として運動会に採用されたと言われれば、納得がいきます。
今ではあまり見かけませんが、「運動会には家族がそろって参加し、豪華なお弁当を持参してお祝いムードになる」という風景も、そこが神社の境内だったのなら当然のことだったと思えますね。
※所説あります。
公式競技団体「全日本玉入れ協会AJTA(アジャタ)」
「玉入れ」を公式競技として全国に広めたのが「全日本玉入れ協会AJTA」です。
1990年8月、北海道和寒町で行われた「ふれあいまつり」で「全日本玉入れ選手権」が初開催され、1995年、同町で「全日本玉入れ協会AJTA」が設立され、公式ルールが制定されました。
アジャタ玉入れの公式ルール
4~6人の選手が合計100個(アジャタボール×99+アンカーボール×1)のボールをバスケットに入れるまでの時間を競うタイムトライアルです。
- ボールをサークル内に積み、後ろ向きでサークルの外側でスタンバイ
- 合図で投げ始める
- アジャタボールが全部入ったら最後にアンカーボールを入れる
- 早く全て入れ終わったチームが勝ち
カゴのサイズや玉の重さも決められています。
大会では、100個の玉をすべて入れ終わるのに20秒もかからないチームもあるそうです!
近年では、車いすバージョンや、全員座ったままでの競技も実施されるようになり、より多くの人が楽しめるようになっているそうです。
玉入れ競技を通じて得られるスキルは?
玉入れはとてもシンプルなルールですが、『集団で行動する力』、『素早く状況を判断する力』などが必要です。
また、ある程度の時間、玉を上に向かって投げる『腕の力』や、足元に落ちた玉を拾い集める際には『体の柔軟さ』なども必要です。
役割分担をすれば、『今自分がなにをすべきなのかを理解する能力』や、『周りの人にぶつからないように周囲に気を配る配慮』も必要です。
シンプルな競技ながらあらゆる能力を必要とするので、玉入れを通じて『大勢の中での自分』というものを考えたり身につけたりするきっかけになる、そんな競技ではないかと思います。
そのうえ、小さな子供からお年寄りまで、みんなが楽しめるおすすめの「玉入れ」。コロナが一段落し、再びみんなが集まって「運動会」が楽しめるようになったらいいな、と思います!
まとめ
意外と知られていない「玉入れのコツ」をご紹介。このコツさえつかめば、短時間にたくさん玉を入れることができます。ぜひ試してみてください!
- 運動会の玉入れの投げ方のコツは以下の3つ。カゴに入る確率が大幅アップ。<玉の持ち方は『お花の手』>、<狙う位置は『カゴの真上』>、<投げ方は『胸の前から、押し上げる』>
- 運動会の玉入れは役割分担が大切。玉を投げる人・玉を集める人・玉を渡す人に分かれて。役割の交代もできたら理想的!
- 運動会の玉入れはかけ声が重要。かけ声に合わせてカゴの真上で玉同士をぶつければカゴに入る玉を増やせる。
- 玉入れの練習は、学校でもお家でもできます。カゴより高く投げる練習をしておくだけでもOK。道具も自作できます。
- 追いかけ玉入れ、ダンシング玉入れ、ディフェンス玉入れ、ぴったり玉入れ、段違い玉入れなど、基本の玉入れをアレンジした玉入れの必勝法をご紹介。
- 玉入れのルーツは「神事」。<公式競技団体「全日本玉入れ協会AJTA(アジャタ)」>は「玉入れ」を公式競技として全国に広めました。玉入れを通して得られるスキルも多いのです。
玉入れのルールは学校によって違うと思うので、ここでご紹介した「玉入れのコツ」がそのまま活用できない場合もあるかもしれません。
そんな時は、それぞれのルールを守りながら楽しく玉入れしてください。一番大切なのは、ケガなく、楽しく、運動会を終えること!
楽しい運動会になりますように!!
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