結束力が勝敗の分かれ目となるリレー、といえば「二人三脚リレー」ですよね。
私が選手のとき、上手くいかず、よくペアの人の足を文字通り引っ張って迷惑をかけたことがとても印象に残ってます。
運動会でこの競技の選手になった方も速く走るコツをつかみたいとお思いでしょう。
そのお気持ち、よくわかります。
そこでこの記事で「自分のせいでビリになったらどうしよう、転んでケガさせたくないな」といった不安を解消してみせます。
「二人三脚」は、二人が協力して目標に向かうのにたとえられる四字熟語になるくらい、ペアと呼吸を合わせるのが肝心で、速く走るというより、ペアとリズミカルに走ることを意識すると、結果的に早く走れるんです。
スタートや次の走者にたどり着くまで、他にも具体的にどうすればいいか解説いたします。
運動会の人気競技「二人三脚リレー」!どんなルール?
二人三脚とは、二人が平行に並び、同じ方向に体を向け、お互いの内側の足首を紐などで結んだ状態で他チームと競いながらゴールへ向かう競技です。
リレー形式だとタスキやバトンの代わりに、結んでる紐をほどいて次のペアに渡し、今度はそのペアが引き継いでその紐を結んで走るルールもあります。
二人三脚リレーで勝つコツ!ペアはどうする?身長差は?
ペアの組み方
走る速さが近い人同士だと、どれだけ速くリズムを合わせられるか把握しやすいです。
身長差はないほど歩幅を合わせやすいですが、もし身長差があるなら身長の低い人に合わせた方がいいですね。
走る順番
始めに速いペアにすると、そのままペースを継続することもあるし、コーナーがあるならインコースを確保できます。
二人三脚リレーで速く走るコツは?
ポジション
コーナーを曲がることがあるなら、走る距離が多くなる外側は、足の速い人にしましょう。
内側の手の位置
お互いを持つ手は、相手の腰がベストです。
肩より低めの位置の方が、お互いの体を全体的にバランスよく固定できて、安定感があります。
身長差があるなら、背の高い人はわき腹辺りをつかんで相手の体勢を崩さないようにしましょう。
密着すると動きのズレが生じにくくなり、そしてお互いの体が不安定にならないです。
もし、パートナーやご自身が密着するのに抵抗があったり、触れられたくないところに当たりそうなら相談しましょう。
姿勢
前傾姿勢がおススメです。
どっしり構えることで安定感を保ちながら、足を素早く動かせます。
目線
5m先が望ましいです。
足元を見がちですが、重心の位置やリズムなどは体で体感しながら先を見る方がいいでしょう。
そうすることで前方の状況が把握できて、前方が見えない不安がなくなり、思い切りよく走れます。
スタートダッシュのコツ
スタート時はあらかじめ足踏みをして、走る前からリズムを合わせておくのも手でしょう。
もしくは結んでる内側の足から始めるとタイミングを合わせやすいです。
外側からだと、一歩目だけなら確かに個人個人が踏み出しやすい感じはしますが、お互い紐を結んでないので、リズムが合ってるか判断しづらいのです。
リズムを合わせて走るのが必須なため、したがって始めの一歩は内側からの方が、紐の感触でリズムや歩幅が合ってるか確認しやすく、調節しやすいでしょう。
指示する人
基本的にはスピードや歩幅の限界が判断できる、足が遅くて歩幅が狭い人にした方がいいです。
足の速い人は遅い人のペースを意識した上で、遅い人の足さばきを手伝うように少しリードするのも一つの戦法です。
掛け声
リズムを合わせやすいように、やはり短い言葉をおすすめします。
「1.2」など定番がありますが、個人的にはどっちの脚を出せばいいかわかる「内、外」もおすすめします。
歩幅
お互いの両足の歩幅を合わせることも重要です。
歩幅を大きくした方が速いのですが、それだと体勢が崩れやすい短所があるので、歩幅の小さい人が大きめにするくらいがちょうどいいのです。
足先の向き
走るときの足先の向きですが、外側の方が転びにくいです。
足先の向きを内側にすると力も内側に狭まり、体が転ばないように支える力が内側にかたよってしまうことから、ガニ股の方が支える力をバランスよく配分できるといえます。
腕の振り方
足の動きばかり注意しがちですが、お互いの外側の手の動きも一致させることも重要です。
そして「体全体でお互いのリズムを合わせる」ことを意識して大きく振りましょう。
腕の動きを大きくすることで、振り子のように重心のバランスを取り、転ばずケガの予防にもつながります。
二人で一つの体になった気持ちで腕を振りましょう。
二人三脚紐ストッキングの結び方は?
ペアとどういう結び方がいいのか、けがの防止も考えて相談しましょう。
適度なあそびを設けつつ、お互いの脚が離れすぎないようにするのがポイントで「8の字結び」がおすすめです。
きつく結ぶと内出血などの可能性もあるので、痛くなりすぎず、足裏全体が地面につくように意識するといいでしょう。
まず参考動画で8の字結びをご参照いただいたうえで、二人三脚の場合の応用を解説いたします。
ロープの結び方 -8の字結び Figure eight knot
まず結ぶ人を決める必要があるのですが、右側の人が結ぶ場合の解説をいたします。
1.紐を前方に横向きに配置します。
紐の右先端を持ち、右の足(右側の人の左足)を後ろから巻いて、一つ目の輪を作ります。
このとき、先端が上になるように一つ目の交差点を作ります。
2.そのまま左の足(左側の人の右足)を後ろから巻くように、二つ目の輪を作ります。
このとき、二つ目の交差点は①を経過した方の先端を下にします。
右の足と左の足をそれぞれ結ぶように8の字ができたと思います。
3.1、2を経過した先端を両足の前方へ通過させます。
このとき、一つ目の輪に上から下へ通すと、結び目が右の足前方にできます。
4.そのまま引っ張れば完成です。強さを確認し合い、調節しましょう。
ほどき方は、右の人が右先端を持って結び目をほどき、左の人は左先端を持って二つ目の交差点と一つ目の交差点をほどく、といったような共同作業をおすすめします。
次に走るペアがいるなら、紐を結ぶ人へ渡すのはどちらか決めておきましょう。
二人三脚で転んでしまった時の立て直し方は?
転ぶ主な原因と対処法
- 無理をしてバランスを崩すなら自分に合ったフォームを確認しましょう。
- 紐の結び方に問題があるなら結び方を変えたり結ぶ強さを調節しましょう。
- 段差につまずくなら足をある程度大きく上げる、などがあります。
練習の際よく転ぶとき、転びそうなときを確認しましょう。
安全な転び方を練習するのも有効です。
膝頭や頭部など強打しないように太もも、お尻、肩から地面に着く転び方が安全といえます。
他にも両腕を上げ、頭を上腕で守る、といった、少しでも安全な転び方を心得ておきましょう。
転ばないようにするのが理想ですが、万が一転んだときにどうするか決めておくと、思い切りのいい走りができてむしろ上手く走れるメリットもあります。
転んでしまったらケガがないか確認して、不安ならリタイアして病院へ行くなどして直ちに治すよう対処しましょう。
再開できるなら立て直すとき、リーダーが指示をした方が良いですね。
転び方にもよりますが、基本的にはまず足は下手に動かさずに上体を起こし、スタート時と同じ体勢まで整え、そこからまた内側の足から前に出してリズムに合わせていく流れをおすすめします。
障害物を二人三脚で上手に超えるコツは?
運動能力のある人でも息が合わないと苦戦するのに、障害物まであるとなお大変ですよね。
開催地域によっていろいろな障害物がありますが、一貫して言えることは、息を合わせて共同作業するタイプは、その都度にタイミングを合わせたり指示を出すリーダーを決めておくといいでしょう。
一方が障害物をこなしながら走るようなら、障害物をこなす人は障害物に主体的に注意を向け、もう一方がスピードを調整しながらリードする役割分担を基本としたスタイルが望ましいです。
二人三脚リレーの練習をクラスでしよう!
いっぺんに修正を図るより、慣れるごとに確認し合う箇所を段階的に増やしていくのが有効です。
- まずは掛け声を決め、掛け声をしながら練習をしましょう。
- 紐を結ばずに、歩いて歩幅を合わせ、徐々に走りましょう。
- そして前を向いて走れるようになったら、今度は紐を結んでまた歩きから徐々に走る、といったように一つずつステップを踏んでいくとコツをつかみやすいです。
- 足の動きに慣れてきたら腕の動きが合ってるか、次は前傾姿勢を保ってるか、というように、一つのフォームに慣れたら、お互いが確認する箇所を一つ増やすといったサイクルを行うことがポイントとなります。
※もし紐をバトン代わりとするなら、スターター以外のペアは正確に、なおかつ素早く紐を結ぶ練習もしておきましょう。
走り方など練習して上手くなっても紐の結び方が上手くいかず実力が発揮できない、なんて悔しいですよね。
まとめ
- ルールはお互いの内側の足首を紐で結んだ状態でゴールまで他チームと競う。紐をバトン代わりにすることもある。
- ペアの相性はできるだけ身長が近く、足の速さも近い人にする。
- コツはまずリーダーを決めておくこと。体勢を崩さず、基本的に歩幅が狭くてペースが遅い人に合わせ、速い人はスピードを後押しするようにリードする。
- 紐ストッキングの結び方は結びやすく、ほどきやすい八の字結びがおすすめ。ただし結ぶ強さや結び方はパートナーと要相談。
- 転ばない対処をして、それでも転んだら、安全確認し、スタート時と同じ体勢に整えて再スタートする。
- 障害物は共同作業なら指示する人を決める。一方が障害物をこなすなら、もう一方は走るリズムを調整する。
- 練習は、掛け声を決めて、「紐を結ばず一緒に歩く、走る。紐を結んで歩く、走る」というふうにステップを順に踏んで確認していく。紐がバトン代わりなら正確に、かつ早く結ぶ練習を特にする。
二人三脚はお互いの特性によって手法が大きく変わってきます。
そのため、コミュニケーションを図り、どこまでできるか、何が苦手かなど確認し合うことが勝敗を大きく分けるのです。
それぞれ違う意見を出し合い、上手くいかないこともあるかもしれません。
そんなときにこの記事を参考にして競技を通すことで、競技のあとも仲良くなられたら幸いです。
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