- 組体操で大技を成功させたい。でも怪我したくない。
- 組体操の危険ではない技を知りたい。でも見栄えする技がいい。
- 組体操の2人以上でできる技を成功させたい。でも怪我したくない。
組体操をやるとき、このようなことが気がかりではありませんか。
私の通っていた小学校では、6年生の運動会は組体操が花形競技でした。組体操の技を成功させるために、毎日毎日グランドで練習しました。
先生方は組体操を通して児童生徒にできた!の達成感を味わい、仲間と協力する姿勢を学んでほしいと思う反面、安全面を考え怪我をしないように指導する、二面性を考えていかなければなりません。
親になってからは、板挟みの先生の気持ちがよくわかります。
この記事では以下3つのポイントを動画や教員の意見を交えて紹介します。
- 組体操の危険ではない技
- 組体操を安全に行うために気を付けること
- 今ではレアな組体操の大技
この記事に書いてあることを実践すれば、組体操で危険ではない技を成功へと導けるでしょう。
組体操とは?組体操のねらいと意味は?
組体操とは、ウィキペディア(Wikipedia)によると
『体操を基礎にして、一般には道具を使用せず身体を用いて行う集団演舞』
とあります。
組体操のねらいは、組体操で必要な体力づくりと心を鍛えることにあります。
なぜなら、組体操で培われる力は「一生懸命練習する」、「仲間を信頼する」、「失敗した時の悔しさを乗り越える」、ことだからです。
組体操で得られるものは、以下の3つです。
- 達成感
- 協調性
- 忍耐力
Yahoo!知恵袋では、以下のような投稿がありました。
大勢の人数の子ども達が【組体操】という一つの目的を持って【完成】していくことは、とても大切な教育の要素だと考えられます。先生や親御さんたちは【いかに成功させるか?】など出来栄えばかりを優先させがちになり、【土台の子どもは可哀想】などと思いがちですが、そこに至るまでの【努力】や【思いやり】を成果として見てあげてほしいと思います。
ところが、見栄えする大技を行うために、怪我の報告が絶えません。そのため、自治体から禁止や自粛の通達が出ているのです。
しかし、組体操で得られるものは、練習で培うチームワーク、忍耐力、技が成功した時の達成感です。体力づくりと心を鍛えることにも繋がります。
組体操の危険ではない技とは?
組体操の技で態度面、体力面が整うと、どのような技であっても危険ではありません。
なぜかというと、態度が整う気を付けの姿勢がしっかりできていると、次の行動がスムーズにできるからです。
また、体力面では、腕支持感覚、平衡感覚、逆さ感覚など、体育に必要な運動感覚と柔軟性が備わっていると言えるからです。
よく体育の先生が「集中!」と言っていますよね。気持ちが乱れると発揮できる運動能力が限られてしまうからです。
危険ではないというと、1人でできる、床についてできる、と思い浮かべます。
1人でできる組体操の技にはバランス、倒立などがあります。
きびきび動き、ぴたっと止まって気をつけ、それだけでも十分かっこいいです。
それでも絶対危なくない、とは言い切れません。バランスを崩して転倒してしまい、捻挫や打撲などの怪我をしてしまうこともあります。
しかし、練習の時に隣の人と十分な距離を取る、日ごろからストレッチをして体の柔軟性を高めておくことが危険を防ぐことになります。
2人技・3人技・4人技で危険ではない技5選!
2人技・3人技・4人技で危険ではない技5選をご紹介します。
安全面に配慮した技を探してみました。
2人でできる技、Wバランス
1人でできるV字バランスを、2人で並んでやる。
やり方
- 2人で向き合い、体操座りをする。
- 両手をつないだら、それぞれ片方の足を上げて足の裏を合わせる
- 「せーの」でそれぞれもう片方の足を上げ、お互いの足の裏を合わせる。
- ゆっくり下ろす。
2人でできる技、すべり台
立ち上がるので高さが出ます。
やり方
- 1人は四つん這いになり、まっすぐ前方を見るようにする。
- もう1人は四つん這いになっている人のうしろで片ひざを立ててしゃがみ、立てている足を四つん這いしている人の両足の間に入れて、立ち上がるための準備をする。
- うしろにいる人が四つん這いしている人の片足を持ち上げて肩にかける。
- もう片方の足を反対の肩にかけたら、ゆっくりと立ち上がります。完全に立ち上がったら両手を左右に大きく広げる。
- 四つん這いになっている人は、顔を上げて前方を見たまま手をまっすぐに伸ばす。
- ゆっくり下ろす。
2人技の解説動画です。
3人でできる技、扇(扇は3人でも5人でもできます。)
扇子のようにきれいに見える。
やり方
- まずは横に並び、真ん中の子どもは一歩下がる。
- それぞれ横にいる友だちと手をつなぐ。
- 両端の子どもは手を遠くに着いて、真ん中にいる友だちの前で足を合わせる。
- 合図とともに、両端の人はおしりを持ち上げて両足をそろえてまっすぐ前を見る。
- ゆっくり下ろす。
3人技の解説動画です。
4人でできる技、花
4人の手と足が花のようで美しい。
やり方
- 4人で体育座りになって手をつなぐ。
- 合図とともに、まずは対角線にいる2人が中央で足を合わせてから足を持ち上げる。
- 残りの2人が、上がっている中央の足に合わせるように足を上げる。
- 腕も足もしっかりと伸ばして、ピタッと止まる。
- 安定したら手をさらに上げる。
- 合図とともに手と足をゆっくり下ろす。
4人でできる技、橋
やり方
- 4人が手をついて四つん這いになる。
- 次に後ろの人の肩に足首をかける。最後尾の人は四つん這いの姿勢でいる。
- もう一方の足を肩にかける。
- 合図とともに足をゆっくり下ろす。
見栄えするといえば、大人数で動きのあるウエーブもいいかもしれません。
他にも体操服を赤、白の2色に分け、列を作り2人技を繰り返すのも演技のようで見栄えします。この時には補助倒立など、比較的簡単で安全な技をきれいに見せることが大切です。
組体操は、静と動を意識すること、安全に行うことが出来栄えを左右するのです。
組体操を安全に行うには?
指導者側が気を付けることは以下の3つです。
- 事前準備をする
- 待たせない
- 無理をさせない
教室内でできる隊列などの打ち合わせやシミュレーションは事前に行います。
運動場や体育館でいざ、技の練習のときには時間を決めて練習します。できた組を待たせず、できない組は後日の練習とします。
児童生徒は今できる精いっぱいのことをしています。もっと高く、もっと長い時間で、などの無理はさせないようにしましょう。
体操なので、倒れたり転んだりぶつかったりする事があり、「怪我は絶対ない」とは言い切れません。
体育教師の友人によると、怪我防止の観点からすると、倒れる、転ぶ、は避けられない。大怪我にならないように転び方、着地の仕方の指導を心掛けている、と言っていました。
スポーツ庁 政策課 学校体育室からは、「確実に安全な状態で実施できるかどうかをしっかりと確認し、できないと判断される場合には実施を見合わせること。」と通達が出ています。
静岡県教育委員会では、「事故が発生する状況と原因、安全対策と指導方法について指導上の留意点」としてまとめています。
内容は多岐にわたりますが、「転倒や転落の危険性がある技では、マットなどの安全器具等を使用して、けが防止に努める」ことや「補助者の配置」など安全面に配慮したものです。
一方で、「昔から違和感があったんだけど、教師が保護者に対して、“ほうら、子供たちにここまで芸を仕込みましたよ”って感じがして嫌だった。」「運動会で一番嫌いだったし辛かった」という声がGirls Channelにあがっています。
組体操を安全に行うには、児童生徒の能力よりも、周りの教員、保護者からの理解を得ることにもあります。
安全面を第一に考え、実施か否かを判断していきたいものです。
一昔前はすごかった!組体操の大技とは?
組体操の大技といえば、高さの出るタワーやピラミッドでしょう。
タワーやピラミッドなどの技は、練習を重ね、全員の力をかけて築くものだからです。誰かひとりかけても成功しません。
西之表市立榕城小学校
手首につけたリストバンドと黒い体操服がかっこいいです。
伊丹市立天王寺川中学校
音楽に合わせた動きに見入ってしまいます。
東福岡高校の9段人間ピラミッドです。
観客サイドから「おぉ~!」という歓声とともに、「こわーい」と聞こえます。危険と隣り合わせの大技演技です。
筑紫丘高校の組体操です。
掛け声とともに高さ、動きのあるダイナミックな演技に拍手喝さいです。
10段ピラミッド崩壊事故
あと一歩のところで崩れ落ちました。怪我がないか、心配です。
演技のクライマックスを彩る、大技は年々巨大化し、難易度も上がってきています。その分、事故が多発したため、禁止や高さが制限されるようになったのです。
スポーツ庁は、2016年に小学校での危険な技には慎重な扱いを求める異例の通知を出しました。それを受け教育委員会や各自治体から組体操禁止要請がなされました。また、昨今の感染症の状況から、組体操の実施が見直されています。
私も親目線から、危険な技をハラハラドキドキしながら見たくありません。
東京都荒川区立第三日暮里小学校の学年だよりでは、組まない組体操を実施した学年だよりが発行されています。
今度はこのように高さを競うのではなく、魅せる体操に変わっていくのでしょう。
運動会、体育祭の組体操では、協調性、協力性、達成感が得られます。全員で力を出し合い、協力して行う大技がクライマックスにある意味もわかります。
しかし、学校側は生徒一人一人の安全を考えています。今後は安心安全で、組体操と同等の効果を得られる種目、競技になっていくのでしょう。
まとめ
組体操は体力づくりを基盤としますが、そこからはできたときの達成感、仲間と協力する協調性、失敗してももう一度諦めずやってみる忍耐力が育まれます。
- 組体操とは体力、心も育てることができる
- 組体操の危険ではない技とは、一人でできる技、床についてできる技
- 2人技・3人技・4人技で危険ではない技は、Wバランス、扇、花などがある
- 組体操を安全に行うには、保護者の理解を得たうえで、指導者は高さ、時間など無理をさせないようにする
- 一昔前はすごかった!組体操の大技とは巨大なピラミッドや高すぎるタワーなどがある
今後、危険度の少ない、時代に合った組体操に様変わりしていくのでしょう。どんな組体操ができたかの報告が楽しみです。
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