運動会の迫力満点な花形競技、「綱引き」
私が小学生のとき、盛り上がるたくさんの観客に囲まれ、「がんばろう!」という気持ちにさせられたものです。
先生方にとっても小学生のたくましい成長を見られる絶好の機会、たくさんの人に応援してもらいたいし、生徒にもやる気になってもらいたいですよね。
興味を持ってもらうにはまず、どんなネーミングにするかが肝心です。
先生方はご多忙ななか、さらにネーミングまで考えるとなると、それはもう本当に大変なことだと思います。
お疲れ様です。
具体的にどんなネーミングだと面白いか、興味を持ってもらえるかわからず、「興味のわかないネーミングにしちゃったらどうしよう」と、悩んでらっしゃることと存じます。
では、どういったネーミングが選手や観客の心をつかむのかというと、綱引きの特徴と印象深い言葉を絡めることにあります。
そこでこの記事では、少しでも参考になるように、ルールやコツなど綱引きの特徴を含めてネーミングを提案、解説していきます。
それではいっしょに考えていきましょう。
小学校運動会の綱引きネーミングアイデア10選!
そもそも競技でのネーミングというのは、選手に、何を目指すのか、何を大事にするのかを簡潔に伝え、士気を高めたり、目的意識を共有することや、観客にも興味を持たせることを狙いとしています。
流行を取り入れるのも効果的です。
人は印象に残った言葉を聞くと自然と耳を傾けるものです。
綱引きを連想する文字と、世間に知られた印象深い言語を取り入れることで、たくさんの人が条件反射で綱引きという競技に注目するのです。
例をいくつか挙げていきますね。
奇跡とは言わせない!必然だ!
ラグビーの試合でアナウンサーの熱のこもったコメントを参考にしました。
その方は綱引きも実況経験があり、調べていくうちに綱引きの奥深さに感心されたそうです。
勝ったチームは「偶然ではなく、実力だ!」と自信を持てますよ。
T.N.H.K!
一文字ごとにイニシャル表記(T U N A H I K I)にする、「頭文字語」を活用してみました。
ネーミングだけ見るとわからないけど、競技名と照らし合わせると「なるほど」といった「なぞなぞの答えを見たときのすっきり感」を意識してみました。
みんなの力、繋げていこう
「みんなの輝き、繋げていこう」という、2020年の東京オリンピックの広報メッセージを元にしました。
「繋げていこう」、と、「綱引き」の、「つな」を連想することで、チームの繋いだ力を綱に込めるイメージがわいてくるのです。
技術、戦略を駆使して力を合わせましょう。
君の縄
人気を博した人気映画「君の名は。」を参考にしたもので、発音は同じで文字だけ変化したパターンです。
選手が各々、ネーミングに語りかけられるようですね。
「これは自分たちの縄だ~!」といわんばかりに懸命に引っ張ってくれることでしょう。
進撃の綱引き 綱を引いても心は引かず
人気漫画「進撃の巨人」のタイトルをアレンジしたもので、まだアニメや漫画に興味のある小学生は士気を高めてくれることうけあいです。
「進撃」とは「前進して攻撃する」ことを意味するので、綱を引いて勝つ綱引きにおいては矛盾してるような感覚がかすかにあると思います。
そこで、副題をつけることで面白味を加えながらも「言葉のアヤ」だと暗示できるのです。
令和をひっぱれ!
まだまだ育ち盛りの小学生にとって、運動会は単なる競技ではなく成長する絶好の機会ですよね。
未来の大人たちが新しい時代をより良い方向へけん引できるように成長することでしょう。
ONE TEAM ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために。
日本代表のラグビーチームを支えた言葉で、綱引きにも共通点を感じたのでアレンジしてみました。
綱引きも力だけでなく、チームワークも大事なので、結束力を高めるためにこういったネーミングで連携を保ちましょう。
いつ引くの?今でしょ!
定番の流行語「いつやるか?今でしょ!」から綱引き向けにアレンジしたものです。
今を大事にしなければ何も勝ち取れません、そうでしょ?なんて、のんびり屋な私が言っても説得力皆無ですが、攻め時を逃さない緊迫感あふれる試合になること間違いなしです。
踊る大綱引き戦
「踊る大捜査線」のタイトルに綱引きを織り交ぜたネーミングです。
ドラマチックな展開に多くの人が注目しましたよね。
今の小学生もどんな系統のドラマかイメージは把握してると思います。
BGMも加えて世界観を体験しながら競い合いましょう。
DRAGON ROPEとびっきりの最強対最強
人気アニメ「DRAGON BALL」のタイトルをもじりました。
数多くの映画のなかから綱引きにマッチした副題を選びました。
綱をドラゴンの体に見立てて、勝利を叶えるために懸命に引き合うことでしょう。
このように流行を織り交ぜながら綱引きの特徴をとらえたネーミングがおすすめです。
ではネーミングのイメージを掴んだところで、綱引きとは詳しくどんなものなのか、順を追って解析していきましょう。
運動会綱引きのルールは?
綱引きとはかつて豊作を祈ったり、年占いを行うための行事です。
綱一本で手軽に始められるのですが、次第に競技化され、細かいルールが出来てきました。
公式ルールは二組に分かれ、審判の合図でそれぞれ一本の綱を引き合い、綱を自陣側へ4m引き寄せたチームの勝ちです。
主なルールを挙げます。
ルール
- 綱の中央に「センターマーク」があり、そのセンターマークのさらに中央と、地面に引かれてある「センターライン」を重ねます。
- 選手は審判の「ピックアップ ザ ロープ」という合図で綱を握り、「テイク ザ ストレイン」で綱を引く体勢に入り、「ステディ」、「プル」で試合開始です。
※センターマーク中央から両サイド5m先に「ブルーマーク」があり、競技開始時、先頭はブルーマーク外側のできるだけ近い位置を握らなければなりません。最後部にいる選手は綱を体に巻くようにして持ちます。 - 綱のセンターマーク中央から両サイド4m先に「ホワイトマーク」があり、相手サイドのホワイトマークを地面のセンターラインまで引っ張ったチームが勝ちです。
反則負けの条件
以下の警告を三回受けたチームは反則負けとなります。
シッティング
故意に地面に座ったり、スリップ後、すぐに綱引きポジションに戻れない状態。
リーニング
足の裏以外の体が地面に触れた状態。
ロッキング
ロープが自由に動かないロープの持ち方。
グリップ
以下の規則に反した場合。
- 競技開始時、ブルーマーク外側のできるだけ近い部分から握らなければならない。
- ロープに結び目や輪を作ってはならない。
プロッピング
ロープを胴体と二の腕の間を通さず、腰より下の位置で持つ状態。
ポジション
しゃがむ、もしくは足先が膝より前に出てない状態。
クライミング・ロープ
両手を交互に使いロープを引き寄せる行為。
ロウイング
反復して地面に座りつつ後方へ動く行為。
などがあります。
安全を期すため、ヘルメット着用や、靴はスポーツシューズ限定、はだしや手袋禁止、といったルールもあるのでぜひ参考にしてください。
ライバルに知られたくない!綱引きの必勝法とは?
パワフルな競技で確かに力や体重はある方が有利といえますが、上級者だと技術や駆け引きの応酬が水面下で繰り広げられているのです。
技術やフォーメーションを意識するとペースをつかみやすくなります。
どういった利点があるかというと、力の分散を防ぎ、バランスよく綱に力を加えられること、当事者意識を持てることです。
自分ひとりがちゃんとできてなくても大したことない、なんてことはなく、漠然と引くのと、ちゃんと構えなど意識して引くのでは大きな違いがあるので、コツを会得することで、「自分がちゃんとしないと負ける」といった意識を一人一人が持てる精神的な効果もあるのです。
ではそのコツの具体策を解説します。
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綱を一直線にして力を伝えやすくするため、列の真ん中は背の低い人にして、両側へ広がるにつれて高い人を配置していきます。男女混合なら力のかたよりが生じないように、交互に並ぶことも考慮しましょう。
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立ち位置は、右利きの人は綱の左側、左利きの人は綱の右側に立ちます。
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間隔は、お互いの邪魔にならないように、なおかつ力を均等に行き渡らせることを意識して、大人の方は1.1~1.3mを目安にして、できるだけ等間隔で並ぶのが望ましいです。小学生の体格ですとそれよりある程度は狭めた方がバランスがいいでしょう。
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体は相手側に向けます。
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足は肩幅と同じくらい開き、つま先が外側になるように逆八の字にします。
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綱の握り方は、利き腕とは逆の手を前にします。このとき、両手の間隔を作らないようにしましょう。
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雑巾を絞り込むように内側に巻き込み、そのまま脇に挟みます。脇は「三つ目の手」ともいわれるくらい重要な要素で、これを行うことで体勢が固定しやすく、崩れにくくなるのです。
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引くときは後方へ体重をかけるため、後ろに倒れこむように上を見上げます。
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掛け声は力を出しやすく、リズムを合わせられるものをチームで統合することをおすすめします。普段、力作業をするとき、「よいしょ!」や、共同作業のときに「せーのっ!」といった無意識に出す掛け声は定番ですね。他にも「Oh hiees(オーイス)!」という「それ引け!」を意味する言葉が変化した、「オーエス!」も、意味をかけ備えた掛け声なので精神的に効果があります。他にも、実験結果によると「グー!」といった歯を食いしばりながら発声する「クローズドマウス」が、最も握力が上がるとされています。
動画をご紹介します。
さらにイメージを固めて本番に臨みましょう。
参考動画:運動会で負けない綱引きのコツ
綱引きルールをアレンジして盛り上げよう!
アレンジルールを導入することで、従来とは違った綱引きを楽しめます。
生徒や保護者から「新しい競技がしたい、見たい」なんて声があればなおさらおすすめします。
制限時間
綱を所定の位置まで引かなくとも、制限時間内に多く引いた方が勝ちとなります。
有利だから下手に動かず、守りを固め現状維持、という選択肢が出来ますが、スタミナが尽きないうちに攻めるという選択肢もあるので、駆け引きが奥深くなります。
親子混同綱引き
普段なかなか一緒に遊べない保護者と子供が一緒に体を動かす、すごく貴重な機会ですよね。
自分の活躍を保護者に間近で見てほしい子供、子供の成長を身近に感じたい保護者にとって特にイチオシです。
四つ巴綱引き、又は三つ巴綱引き
二チームだけでなく、4チームか3チームで綱を引き合うのですが、このルールだと、どんなタイミングでどのチームの力を利用して、最終的に自チームを勝利に導けるかが見どころなんです。
1.チームの数と綱の数は一緒にして、綱の先端を繋げ、等間隔で別々の方向へ配置します。
2.綱の繋ぎ目を中心にして地面にサークルを描き、そこからチームごとに綱を握り、審判の合図で引き合います。
3.サークルエリアから所定の距離まで自分の綱を引っ張ったチームが勝ちとなります。
多く引っ張った有利なチームに対し、複数のチームが寄り合い引っ張ることで、有利なチームが引っ張るのを防ぐ、といった戦法もあります。
同じタイミングでエリアに到達したチームは引き分けにするか、そのチーム間だけで延長戦にするのもいいですね。
玉入れ綱引き
1.2チームに分かれ綱を引き合い、綱から手を放さず、もう片方の手で地面にある玉を拾って自陣のカゴに入れます。
2.一定時間内に玉を多く入れたチームが勝ちです。
引っ張ればそれだけカゴに近くなり入りやすくなります。
「向こうが玉を入れるのに必死で片手で引っ張ってる人が多いから、このスキにこっちは両手で引っ張ろう!」といった攻守交代劇が見ものです。
リレー式綱引き
スピードが勝つかパワーが勝つか、といった展開が期待できます。
- 2チームがそれぞれメンバーを決めて、綱からある程度遠いところ(約50m推奨)から、審判の合図で綱に向かって走ります。
- 綱を握り、一定の位置まで引っ張れば勝利です。
この競技のポイントは、互いのメンバー内の、綱を引っ張る力のある人と早く綱までたどり着ける人のバランスにあります。
通常の綱引きですと、両チーム共に技術や戦略の総合力が互角なら、腕力や重さのある方が有利となりますが、ここに引き始める速さに違いが出てくると条件が違ってきますよね。
引っ張る力のある人は全体的に筋力もありますが、重さもあり、その分走力に難が生じる傾向があります。
一方で足の速い人は身軽な人が多いですが、その分綱まで早くたどり着き、引き始めが早くなります。
綱を早く引き始めて相手が体勢を整えるまでに逃げ切るスピード系か、後から追い上げを見せて逆転を狙うパワー系か、正反対のタイプの両者が、各々の個性を生かしてせめぎ合う点が魅力です。
まとめ
- ネーミングを決めるポイントは、綱引きの特徴と世間の印象に残っている言葉を掛け合わせて主張する。
- 公式ルールは綱を先に4m引っ張ったら勝ち、審判から3回警告を受けると反則負けとなる。
- コツは綱に加える力をバランスよく、分散しないようにして体重をかける。
- アレンジルールは子供にもわかりやすく、新鮮な気持ちで楽しめるものにする。
かつてはオリンピック競技にもなり、復活してほしいという要望が多く、それだけ白熱する面白い競技です。
しかし気持ちが熱くなりやすい反面、その分無理をする子供も多いです。
そうならないように安全に楽しんでいただけるように、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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